実務とつながる実践カリキュラムを実現した本学では、各界のスペシャリストやパイオニアによる特別講義によって、世界や企業の最前線を学ぶ機会があります。

先日１年生を対象に、情報工学科の「情報工学概論」とデジタルエンタテインメント学科の「コンテンツデザイン概論」との合同授業として、特別講義が行われました。

日本最大級の電子書籍配信サイト「コミックシーモア」や世界的なヒットとなったゲーム「Obey Me!」などのコンテンツ配信の運営で有名なＮＴＴソルマーレ株式会社の代表取締役社長 朝日利彰氏を特別講師にお迎えし、「当社の事業と市場動向について」をテーマに、コミック業界の現状や大躍進を続ける同社の経営戦略などについて講義を行っていただきました。

ＮＴＴソルマーレ株式会社は、西日本電信電話株式会社（NTT西日本）の完全子会社として2002年に設立。

駅や家電量販店等に設置した街頭端末(フービオ端末)から、PDA(携帯情報端末)等のモバイル機器向けに、マンガ、雑誌、映像、文庫などのデジタルコンテンツをダウンロードして販売するサービスを開始しましたが、普及が見込めないことからから2005年3月に撤退する一方、フービオサービスの撤退半年前から新たに開始したケータイ向けコミック配信サービスがヒットし、2009年度には過去最高売上を達成し、グローバル展開するなど順調な伸長を続けます。

さらに2010年以降、ケータイからスマートフォンへ急激に移行する環境の中、スマートフォンに対応したビジネスモデルへの転換を行うとともに、2009年より開始したゲーム事業を第２の事業の柱とすべくゲームビジネスのノウハウの蓄積を行います。

デジタル社会への移行の流れに対応し、また、コミック市場が紙から電子へ交代が進んだことも企業成長に大きく結び付きました。

これらNＴＴソルマーレ株式会社の歴史を2007～2009年までの第１次成長期、2010～2012年までの転換期、2013年以降の第2次成長期に分け、グローバル展開の検討から実行、メディアミックス戦略、オリジナルコンテンツ戦略、マーケティングオートメーションツールやAIを活用したクラスタリング、検索エンジン最適化などの集客力・サービス向上の仕組みや事業成功に向けたチャンスの捉え方など、事業開発のプロセスのポイントを教えていただきました。

最後には学生に向けて、事業開発を成功させるカギを説明下さり、学生たちは終始目を輝かせながら講義に耳を傾けました。

これからの社会で活躍するデジタル人材へ成長していく学生たちにとって、今回の特別講義は、ダイナミックに変化・進化するデジタルコンテンツ業界の最前線をリアルに学ぶ貴重な機会となりました。