小野憲史講師が登壇

米サンフランシスコで2025年3月17日から22日まで開催されたゲーム開発者会議「Game Developers Conference(GDC)2025」で、本学デジタルエンタテインメント学科の小野憲史講師が登壇し、臨地実務実習を活用した、本学ならではのゲーム開発者教育について講演しました。
GDCは会期中に約3万人の参加者を数え、約700セッション、約800名の講演者が登壇する、世界最大級のゲーム開発者会議です。技術講演だけでなく、ミドルウェアやインディゲームが並ぶエキスポエリアや、優れたゲームと開発者を表彰するアワード、大小様々なネットワーキングなどが行われる、ゲーム産業と文化の発信地として知られています。
小野講師は大学関係者を対象とした専門部会「ゲーム教育サミット」に登壇し、「Case Study from Japan: Student Game Development with Local Welfare Facilities(日本のケーススタディ:地域の社会福祉施設と協業した学生ゲーム開発)」と題して講演を行いました。これは本学の臨地実務実習を活用し、学生が大学と社会福祉施設を往還しながらゲームを制作するもので、世界的にも珍しい取り組みとして注目を集めました。




ヒットするゲームをつくるにはユーザーニーズの理解が欠かせません。こうした中、小野講師は学生が社会福祉施設に通いながら、施設を活用する利用者を観察し、その施設に適したゲームを制作して遊んでもらうことで、自然にユーザーニーズにもとづいたゲーム制作が学べると説明しました。
このように地域社会と一緒になって人材育成を進めていく取り組みは、本学の教育理念である「Designer in Society」を体現したものです。また、社会課題を解決するための人材育成として、実践的な教育に取り組んでいる本学だからこそ可能なゲーム開発者教育の方式だともいえます。日本の少子高齢化やゲームの社会利用に関する内容にも触れられており、講演終了後は多くの大学関係者から感想や質問が寄せられました。
なお、学生が実習を通して制作したゲームは、専用サイト「みんなのゲームラボ」で無料公開されています。ゲームの中には地域のコミュニティイベントや、他の社会福祉施設で利用されるものもあり、徐々に広がりを見せはじめています。臨地実務実習を活用した本実践は今後も継続して実施されていく予定です。

