
本学では、産業界との連携を強化した実践的なカリキュラムの一環として、3年次通年授業「デジタルコンテンツ制作応用」※1において、NHKエデュケーショナルと産学連携でメタバースの教育活用の可能性を探るリサーチを開始しました。本プロジェクトには、同授業内の1グループに所属する18名の学生が参加しています。
※1 デジタルコンテンツ制作応用:企業と連携し、企業からテーマをいただいて、デジタルコンテンツを実際に制作する通年授業です。成果物を作って終わりではなく、コンテストや発表など社会的評価を受けることを最終目標としています。


メタバースの現状と教育活用への可能性
一時期の盛り上がりを見せたメタバース市場ですが、現在は一定の落ち着きを見せています。臨場感や没入感といった利点がある一方で、導入コストの高さやハードルの存在が指摘されています※2。
しかし、近い将来、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の普及が進めば、メタバース環境下でのコンテンツの必要性は一層高まることが予測されます。その中でも特に「教育利用」に焦点を当て、メタバースが学習体験にどのような効果をもたらすのかを検証することが、本プロジェクトの目的です。
※2 参考:矢野経済研究所「メタバースの国内市場動向調査を実施(2024年)」
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3688
2024年度の取り組み
プロジェクト初年度である2024年度は、まずNHKエデュケーショナルの鈴木晴之プロデューサーから、教育コンテンツの制作に関わる基礎的な知識や現状をレクチャーいただくところからスタートしました。
NHKの教育コンテンツ配信サイト『NHK for School』
https://www.nhk.or.jp/school/
プラモデルで「ものづくり」を学ぼう~
プラモデル授業パッケージ「ガンプラアカデミア」の制作協力
https://www.nhk-ed.co.jp/business/kyozai/gunpla/
つぎに、学内におけるメタバースの認知度や活用度の調査を行いました。その結果をもとに、基本的な要件の整理を進め、初歩的なワールドの制作に取り組みました。
NHKエデュケーショナルと連携し、コンテンツ制作を実践的に行うことで、そのプロセスを通じて課題を抽出し、メタバースの教育的な有用性を検証するためのプロトタイピングを実施できました。
2024年度のプロトタイプ







今後の展望
本プロジェクトは継続的な調査を行い、メタバースを活用した教育コンテンツの開発を進めていく予定です。今後、さらなる技術革新や機器の普及が進むにつれて、教育現場でのメタバース活用の可能性は広がるでしょう。
東京国際工科専門職大学は、今後も産業界と連携しながら、実践的な学びを通じ、学生たちが社会で活躍できる力を育成してまいります。