特別講師:株式会社スクウェア・エニックス プロデューサー 時田貴司氏

実務とつながる実践カリキュラムを実現する本学では、各界のスペシャリストやパイオニアによる特別講義によって、世界や企業の最前線を学ぶことができます。
株式会社スクウェア・エニックスのプロデューサー・時田貴司氏を特別講師としてお迎えし、「ゲームクリエイティブのレシピ」と題し、デジタルエンタテインメント学科の特別講義を開催しました。
時田氏は『FINAL FANTASY IV』『クロノ・トリガー』『半熟英雄』『ライブ・ア・ライブ』シリーズなど、数々の名作を手がけた日本を代表するゲームクリエイターです。また、CESA人材育成部会企画ワーキンググループやPERACON審査員としても活躍され、企業でのプロデュース業だけでなく、ゲーム産業全体での人材育成について検討する有識者会議やゲームコンテストでの審査にも携わる業界を代表するプロフェッショナルです。
概要
講義では、時田氏の40年近いキャリアを振り返りながら、「時代ごとに作ってきた作品とゲームビジネスの変遷」、「ゲーム企画の力点」を軸に、ゲーム制作の本質や創造のプロセスについて語っていただきました。
ゲームビジネスのフレームワーク
ゲーム性=本能、世界観=ターゲット、プラットフォーム=デバイス・サービス、ビジネスモデル=どうマネタイズするか 運営=プレイサイクルとアップデート周期 リリースのタイミングも成功の鍵になると強調されました。
ゲーム制作は“料理”に似ている
素材=テーマ、料理法=ジャンル、味付け=世界観・ストーリー・グラフィック・サウンド、味=遊び心地、食感=触り心地。 最後に“味見”をして、面白さを調整することが重要だと語られました。
「面白い」と思ったら、なぜ面白いのかを考えるべし!
直感を言語化する習慣が、クリエイティブの土台になる。
学生との質疑応答
学生からの質問にも丁寧に答えていただき、時田氏の人柄と情熱が伝わる時間となりました。
とあるゲームの隠しコマンドについて
「あの頃のプログラマーは、自分たちしか知らない仕掛けを入れたがっていた」と笑顔で回答。
ゲーム制作に必要な3つの要素
「やりたいこと」「できること」「求められること」のうち、まずは2つを揃えることが大切。いずれ3つが揃う時が来る。
個人制作でRPGを制作しているがどんなことに意識をするべきか。
「ほかのRPGとの差別化方法を意識しつつ、何か強みを意識して作る」
お勧めの書籍
「アルジャーノンに花束を」、「プロジェクトヘイルメアリー」
お勧めの映画
「ルパン三世 カリオストロの城」がオススメ。無駄がなくシナリオや絵作りがすべて作りこまれている。
まとめ
講義に参加した学生からは「“ゲームは料理”という発想が新鮮でした。自分の作品にも活かしたいです」「時田さんの話を聞いて、ゲーム業界への憧れがさらに強くなりました」といった感想が聞かれました。
本学では、今後も業界の第一線で活躍する方々をお招きし、学生が実社会とつながる学びを提供し、学生の視野を広げ、夢の実現をサポートしてまいります。

