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「未来社会をデザインする」─理研 大阪・関西万博に向けた映像制作に協力

大阪・関西万博での展示風景

理化学研究所ガーディアンロボットプロジェクトの万博展示コンセプト映像、“未来の都市”を3DCGで表現。学生がCG素材提供。

万博に向けた研究紹介映像に、本学学生がCG制作で参加

2025年の大阪・関西万博に向け、理化学研究所(理研)は、出展テーマ「命をつなぐ知の共創」に基づき、先端研究を紹介する特設ウェブサイトを公開しました(理研ニュース記事はこちら)。この中の映像コンテンツ制作において、本学デジタルエンタテインメント学科の学生が3DCG素材の制作で参加しました。

<映像エンベット>

映像構成前に「意図を読む」プロの制作体験

映像の構成や演出が決まる前段階で、学生たちは企画意図を読み解き、必要になると予測される要素を自主的にモデリング。
未来の都市空間、ドローン輸送、環境対応型の次世代モビリティ、そして通天閣を思わせるランドマークなど、未来の大阪を想起させるパーツを提案・制作しました。

映像ディレクションは本学・浦田准教授が担当

本プロジェクトの映像ディレクションは、本学デジタルエンタテインメント学科の浦田航介准教授が担当。企画段階から映像設計・編集方針を策定し、理研の先端研究を“見える化”する表現を構築しました。
学生たちが制作したCGパーツは、浦田准教授の監修のもとでブラッシュアップされ、未来社会を視覚的に伝える要素として映像内に効果的に取り入れられています。

学生の声

デジタルエンタテインメント学科CGコース3年
横田世那
臨地実務実習では、万博で放送される映像の制作に携わり、未来の車や姫路城モチーフのモデリングを担当しました。この実習から、クライアントの意図を汲んだデザインの難しさや、リファレンス収集・分析の重要性を実感することが出来ました。また、リモートワークでの情報共有やコミュニケーション不足という課題も発見できました。この実習は、CGモデラーとしての基礎的なプロセスと実践的なスキルを習得できた貴重な経験となりました。

デジタルエンタテインメント学科CGコース3年
五味日梨
今回の臨地実務実習では、Mayaを使って「未来」をテーマにした背景モデリングに取り組みました。私は主に船やインテリア、公園の時計、ベンチの制作を担当し、それぞれのデザインにシンプルで洗練された未来的な要素を意識して制作しました。作業はすべてリモートで行われたため、メンバーとの情報共有やデータ管理の工夫がとても重要でした。後半には連絡が滞る場面もあり、リモート環境におけるコミュニケーションの大切さを改めて感じました。また、「未来」という普段選ばないテーマに挑戦したことで、自分の表現の幅を広げる良い機会となりました。この実習を通して、技術だけでなく、チームで協力しながら制作を進める力や、効率的な作業環境の大切さも学ぶことができました。

デジタルエンタテインメント学科CGコース3年
宮路萌楓
この実習ではドローンや通天閣などのモデルの制作に取り組みました。万博のテーマが未来の社会ということで、細部までスタイリッシュに仕上げることを意識しました。実習内容としては、未来っぽさを追求し、未来はどのような生活になっているのかを考えアイデアを出すフェーズとモデリングのフェーズに分かれていました。アイデアを出す際に相手がどのような未来を想像しているのか、や未来にはどのようなものが存在しているのか、などを考え意見をすり合わせていくところに苦戦しました。また、すべてリモートでの作業だったため互いの進捗や制作物についての意見を言い合う機会もあまりなく、リモートでのコミュニケーションの難しさや大切さを学びました。

おわりに

大学での学びを社会に結びつけ、創造力と実践力を同時に高めるこのようなプロジェクトは、デジタルエンタテインメント分野の人材育成において重要な意義を持っています。今後も本学では、産学連携による実践教育を積極的に展開していきます。

※理化学研究所
国立研究開発法人 理化学研究所(RIKEN)は、日本で唯一の自然科学の総合研究所で、物理学、工学、化学、生物学、医科学など幅広い分野で基礎から応用までの研究開発を行っている。

関連サイト

理化学研究所

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